
- 食ベログ 3.53pt
- 創業54年
- 京都の老舗
- 洋食一筋
この4つの情報にあなたは何を感じますか?
どれもがそそられるキーワードではないでしょうか?
ただ、この情報は後から知ったことで、今回取材を決めた決定打ではありません。
Q:決定打、それは何か?
A:店主自らメニューブックを作っているお店だから。。。
職業病につき、恐れ入りますが最後までお付き合いください。
今回は老舗ハンバーグ屋さんのまつわるお話です。
京都は地下鉄北大路駅降りて北大路通りを東へ歩くこと5分、
北大路西詰めの交差点に構えます『はせがわ』さんを今回取材いたします。
ログハウスを思わせる店頭にはレンガが積まれた蒔き暖炉風のショーケースが。
吊り下げられた木看板も手書きのメニューとお花が描かれています。
こちらもやはり手作りなのでしょうか?
店頭撮影もそこそこに店内へ。
店頭で抱いたイメージ通り、アットホームなお店の内装にほっとします。
それにしても落ち着く空間です。来られている方も思い思いの時間を過ごされています。
腰をおろすと綺麗にセッティングされているメニューブックと目が合いました。
木調の店内にぴったりなメニューブックです。先ほど目にした店頭看板と同様にお花が描かれており、左隅に作者の落款がありました。作者はこちらの店主、長谷川さんであることが分かります。
持ってみると、ずしりと重い。手触りからも木の温かさを感じ取れます。手にとってみることで味わい深いメニューだと分かりました。
そしてこのブックの作成者でありながらお店のオーナー様である長谷川さんに今回お話をお伺いすることが出来ました。そしてお話は意外な所にまで及びます。
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お客さんの喜ぶことをしてあげなさい。
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赤裸々に創業当時の事をお話頂けました。
創業当時は今の様に繁盛店では無く、苦しい年が長く続きました。メニューブックや販促を外注しようにも費用をかける余裕がありません。
ただお金が無いから、材料をケチることはまったく考えなかった。
それとこれとはまったくの別。メニューブックや看板等は自分で作ることを決意します。
そして少しでも売上げが積めれば材料と設備に注ぎ込みました。
『儲けは後、美味しいもん作らな、お客さんに喜んでもらえませんやろ。』
『お客様に喜んでもらえれば、一人でもお店に来てもらえる。そのためには材料・設備の投資は欠かせない。それは料理の味に、顕著に出るかものだから。』
長谷川さんは18才の時に料理人人生をスタートさせますが、今まで誰にも調理方法を請わなかったと言います。すべて本から学び独学で人気ハンバーグを生み出しました。現にフライパンの振り方は今でも逆だと言います。
『でも美味しかったらいいんと違うかな。』 とてもにこやかな表情にも信念の強さを感じました。
苦難の時を経て、長谷川さんのハンバーグは自らの宣伝告知を行わずとも、様々なメディアがとりあげます。新メニューごとにお客さんは増え続け開店前から行列が出来るまでに。一時はその行列に圧倒されシャッターを開けるのが怖かったこともあったとか...
ここでメニューブックに話は戻りますが、描かれているお花は旅先で長谷川さんがあらかじめ撮りためていたものでありました。フォトアルバムでもあるブックはすべて異なります。世界に一冊だけの花とも言えますね。
ブックの中身ですが、びっしりとメニューが書き込まれています。
豊富なメニュー数が売りでもあるお店のため、一見迷いますが基本はハンバーグがメインのためサイドのもう一品を選べばOKです。
注文後も店内を見渡せば暇をもてあますことがありません。
そしてお待ちかねのハンバーグ!サイドにはサーモンフライを選びました。完璧なフォルムに思わず笑みがこぼれます。
ハンバーグだけが主役でないとばかりに、付け合せの料理すべてが輝きに満ちてます。
崩すのもったいないですが、食欲には勝てません、 割ってみせましょう!!
食欲を掻き立てる絶景シーンです。美味しさを一言で例えるなら『至福』 この言葉に尽きます。
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取材に伺った後に知った事ですが、お店に隣接する同店のお弁当やさんは【ミシュラン京都2016 ビブグルマン自宅厳選テイクアウト】に選ばれておりました。そんな事、一言もおっしゃられていなかったのに。
思い出すマスターのお言葉、『儲けは後、美味しいもん作らな、お客さんには喜んでもらわなあきませんやろ。』
私たちにも通ずるお言葉だと知り胸が熱くなりました。
また必ず訪れたい、京都 北大路のはせがわさんでした。
取材店舗様